Site archéologique de Glanum
グラナム遺跡
- Site archéologique de Glanum
場所 : Saint-Rémy-de-Provence

「グラナム遺跡(Le site archéologique de Glanum ル・シット・アルケオロジック・ド・グラナム ※)」。

 

レ・ボー・ド・プロヴァンス(Les-Baux-de-Provence)とサン・レミの間、アルピーユ山脈(Les Alpilles レ・ザルピーユ)を超えた北側に位置するグラナム遺跡。こちらはかつての古代ローマ帝国の街で、その起源は南仏プロヴァンスにいた先住民族であるケルト・リグリア人によって形作られた集落といわれます。初期の集落が形成されたのは、紀元前600年頃のこと。大きく発展したのは紀元前2世紀頃からで、当時マルセイユ(Marseille)で勢力を誇っていたギリシアの影響から、ヘレニズム風の街づくりがなされました。その後、紀元前1世紀にはローマ帝国の支配が及び、ガリア遠征で有名なカエサルの跡を継いだアウグストゥスの治世には、多くの記念建造物が建てられるとともに、ローマ風の街へと姿を変えていったといいます。

 

グラナムには神殿や公共浴場、フォーラム(広場)、豪華な庭付きの家屋などが建てられ、下水道もきちんと備え付けられていたそうです。当時としては大都市の機能を兼ね備えていたといっても過言ではありません。それほどローマとしても大切な場所だったのですね。

 

しかし、栄華があれば没落もあります。紀元後3世紀後半に入ると、異民族の流入があり、ゲルマンの一族によってグラナムは破壊されてしまうことに。その結果、生き残ったグラナムの人々は街を捨て、移住を決断。北へ進み、新たに新たな集落を作って定住したのでした。

 

そう、それが後にサン・レミの街となってゆくのです。

 

因みに、グラナムの街はその後、誰の手にも触れられず埋もれてしまいますが、1921年に最初の発掘がなされて以降、再び少しずつ我々の前に姿を現しました。大まかな作業は終了しているようですが、実は今でも時折考古学者が訪れては調査を続けている、現役の発掘現場でもあります。

投稿 : 2021年5月15日
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