マルセイユの中心地、旧港のほど近くに、南フランス最大の鉄道駅マルセイユ・サン・シャルル駅(La Gare Marseille-Saint-Charles)があります。パリ・マルセイユ間(約750キロ)は、高速鉄道TGVで3時間で結ばれています。

マルセイユ・サン・シャルル駅が開設されたのは、19世紀中頃、産業革命の時代です。マルセイユはアフリカやアジアの植民地への出発地でもあり、多くの人が行き交っていました。鉄道の開通はマルセイユをさらなる経済発展に導きました。

現在の立派な駅舎が完成したのは、19世紀末。マルセイユの歴史的建造物として有名な駅前の大階段が、当時の大統領立会いのもと竣工式を迎えたのは1927年のことです。高さ16メートル、104段の大きな階段は、ブロンズのガス灯、プロヴァンスの自然の恵みやギリシャ神話をモチーフとした見事な彫刻で装飾されています。階段の上のテラスは見晴らしがよく、丘の上からマルセイユを見守るノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院がよく見えます。