カトリック教徒の多いヨーロッパでは復活祭はクリスマスと並んで大切にされている伝統行事です。復活祭は春分後の最初の満月の次の日曜日となり、毎年異なります。2022年の復活祭は4月17日(日)です。4月は復活祭休暇の観光シーズンでもあります。
【フランスとドイツや英語圏の国との復活祭の違い】
ドイツでは復活祭をOstern(オースタン)と呼んでいます。
ゲルマン神話の春の女神「エオストレ(Eostre)」の名前、あるいはゲルマン人の用いた春の月名「エオストレモナト(Eostremonat)」に由来しているといわれています。(Wikipediaより)
ドイツでは、ウサギや卵をかたどったチョコレートやパンが3月の終わり頃からスーパーやパン屋さんにずらりと並んでいました(フランスでも同様です)
復活祭の象徴が“卵”なのは、もともとヒナが卵から生まれることをイエスが墓から出て復活したことに結びつけたものです。
また、冬が終わり草木に再び生命が甦る喜びを表したものと言われています。
英語圏やドイツでは復活祭の使いは、“うさぎ”のイメージが強いですね。イースター・バニーが卵を運んでくる(または産む)ものとされています。“うさぎ”は多産なことから、復活祭では豊穣と生命の象徴とされています。日本はアメリカから入ってきたので復活祭=”うさぎ”のイメージが強いかと思います。
ドイツで出会った復活祭のポストカード(現行品)は復活祭の使い“うさぎ”が一杯出て来ます。
さて、それではフランスの復活祭を見てみましょう。
復活祭はフランス語で『Pâques(パーク)』です。
フランスでは、jeudi saint(ジュディ サン)聖なる木曜日(最後の晩餐の日)のミサの後から、キリストの復活を祝うdimanche de Pâques(ディマンシュ ドゥ パーク)復活祭の日曜日までの間は、彼の死を悼んで教会の鐘は鳴りません。
「どうして、鐘がならないの?」という子供たちの無邪気な質問に応えて、大人たちはこんな風に説明します。
「Les cloches se rendent à Rome où elles se chargent d’œufs de Pâques qu’elles répandent à leur retour dans les jardins.」
「鐘はローマに行って、復活祭の卵をもらってくるの。そして、帰りには、お庭に卵をばらまきながら帰ってくるのよ。」
復活祭の当日は家族で集まり食事を共にし、子供のいるご家庭ではお庭でエッグハント(Chasse aux œufs = シャス・オ・ズー)天からの贈り物(庭にまかれた卵形チョコなど)を探す遊びをします。
Lundi de Paques(ランディ ドゥ パーク)復活祭の月曜日も祝日です。
この日は市町村主催のエッグハントが開催され子供からお年寄りまで参加して楽しまれます。
我が村でも広場に集まり子供達がエッグ・ハントを楽しむ行事が毎年開催されています。
※この言い伝えはヨーロッパでもフランス・イタリア・スイスの一部のフランス語圏だけだそうです。
娘の友達の家ではベランダからママが隠れながら“呼び鈴”をならし、チョコをお庭にばらまいたそうですよ。頭に当たって痛かった思い出があるそうです。
“うさぎ”ではなく“空を飛ぶ鐘” イメージ湧きますか?
パン屋さんのウィンドーにペイントされた“空飛ぶ鐘”です。
【復活祭のシンボル】
フランスで見つけた復活祭のアンティークポストカードです。
うさぎのカードは1枚も出会ったことがありません。“空飛ぶ鐘”は思ったより優雅に飛んでいます。
一番多いのは“卵” ”鶏” ”ヒヨコ”です。“卵”は誕生、肥沃、復活、善意を示します。鶏やヒヨコは再生のシンボルです。
“ネコヤナギ”のカードも見かけます。le dimanche de Rameaux (ル ディマンシュ ドゥ ラモー)枝の主日とよばれる(復活祭の1週間前の)日曜日に信者たちが、イエスを歓迎して、彼の足元にしきつめたrameau(ラモー)小枝が国によっては手に入りにくく、丁度復活祭の時期に開花するネコヤナギを代用したことから広まったそうです。プロヴァンスではオリーブの小枝で代用されます。
子羊は、キリスト教ではイエスキリストの象徴とされています。復活祭の食卓のメインとしても振舞われる子羊。古代より春に子羊は神に捧げる風習から復活祭のごちそうとして定着しているようです。
【復活祭のチョコレート】
3月に入るとスーパーマーケットには復活祭コーナーが設けられ定番の卵・鶏・ヒヨコ・子羊・うさぎや伝統的な鐘型・魚型のチョコが並びます。
町のチョコレート屋さん情報→ Chocolat fabrique “LE MOULIN DU CACAO”
住所:6339 Av. des Logissons, 13770 Venelles
動画の中にも魚型チョコレートが出てきます。魚型は『Poisson D’avril (ポワソン・ダブリル)4月の魚』でも出てきましたが、補足すると復活祭の魚型は、イエスキリストの復活後に起こした7つの奇跡の4つ目『イエス様が、五つのパンと二匹の魚をもって男の人だけで五千人の人々の空腹を満たされた』から由来しているそうです。
あまりにも可愛くてついつい買ってしまいますが、この時期チョコレートの食べ過ぎ注意!です。
「【プロヴァンス・ダイアリー】《プロヴァンスの風物詩》no.6 Pâques (復活祭)」に6件のコメントがあります
Mamanさま
ステキなお写真と動画とご説明ありがとうございます!以前、パリに行った時にスーパーやチョコレート屋さん、街の至る所に卵とうさぎのチョコがあって、イースターは知っていましたが、その意味も、もちろんこんなにみんなでお祝いするものとは知らずびっくりしました。
Mamanさんの説明で、とても良くわかりました!
次に復活祭の時期にフランスに行ったら、Maman さんのように卵やウサギの美味しそうなチョコを買おうと思います!
それにしても、Maman さんのご自宅のディスプレイが素敵!憧れます!!
動画を見入ってしまいました!
また次のダイアリーも楽しみにしていますねー!
イザベル様コメントありがとうございます(*˘︶˘*).。.:*💖
こちらのブログ楽しんで頂けてとても嬉しいです。
イースターは日本ではハロウィン程浸透していないようですね。絶対こちらの方が可愛いので是非イザベル様界隈で盛り上げて下さいませ。復活祭のお茶会素敵だと思います。
フランスの復活祭は空飛ぶ鐘🔔ですのでアンティークポストカードにふれる機会があれば手にとって頂きたいと思います。
我が家のディスプレイも楽しんで頂けてましたか。励みになるお言葉ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
食べるのがもったいないくらい可愛いチョコレート🍫🍫🍫ママンさんのオシャレなお皿は卵料理用ですか?
cherque様、コメントありがとうございます(*˘︶˘*).。.:*🔔
可愛い子たちしっかり味わって頂きました😋❣️
小さな卵も一つ一つ丁寧なお味でほっぺた落ちる美味しさでした😍動物もスーパーのものは中が空洞のものも多いのですが、こちらびっしりクリーミーなチョコが詰まっていて幸せなお味でした🍫( ꈍᴗꈍ)🐑🐤
そうです!このお皿はゆで卵専用皿です。中にはヒヨコの形が凸凹型押しされています🐤🥚復活祭に大活躍のお皿です😆
Mamanさん、こんにちは!
復活祭は日本にはなじみのない行事ですけれど、クリスマスと同じくらい、大事にされているのですね。
空飛ぶ鐘は初めて知りました!それから魚のチョコレートの意味も。
Mamanさんの復活祭のポストカードがとっても素敵ですね💕💕沢山集めていらっしゃるのですね。☺️私も見つけたら買いたいなぁ😍
街のショコラティエは、バレンタインデー以上の力の入れようかと思いますが、売れ残っちゃった、卵や鶏、ウサギ、魚、鐘はどうするのか、とても気になりました😅
cherry様、コメントありがとうございます(*˘︶˘*).。.:*🔔
復活祭の雑貨は可愛いので日本でもきっと流行ると思います(ハロウィンより絶対可愛い😋)
それぞれのシンボルの意味が分かると尚の事楽しめると思います🔔🐣🐰🐓🐑🐖🍫
是非復活祭のポストカードも探してみてくださいね。フランスの思い出に空飛ぶ🔔と四月の魚は会話も弾むかと思います🤭
確かに!クリスマスも復活祭もこの時期が終わると撤収されますよね。もう一度溶かして再利用されるのかしら🤔