《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第26回 〜旧石器時代から続く山村「セーニョン」で、特別な岩に登る〜

2022年11月05日
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プロヴァンスの山間には、可愛らしい村がいくつもあります。人口1000人程度のセーニョンもそのひとつ。

セーニョンに人が住み始めたのは遥か昔、中期旧石器時代(20万年〜3万5千年前)だとか。ネアンデルタール人とかクロマニヨン人の時代です。外敵から隠れやすい地形だったようです。

天文台になったり、城になったり

村の北側にある高さ約30メートルの岩「Le Rocher de Bellevue」は、「美しい眺めの岩」という意味。天文台として使われたほか、信号を送る場所だっただろうと、推測されています。そこから、「Saignon」という地名は、「サイン(sign)」の語源であるラテン語の「signum」とつながりがあるといわれています。

このLe Rocher de Bellevueは登ることができます。

岩の断層と同化していますが、階段があります。

柵がない! 絶景ですが、感動よりも恐怖の方が勝ります。

頂上は平らで日当たり良好。緑も茂っています。
セーニョンのまちを見下ろす景色は、360度遮るものがなく、リュベロン地方を遠くまで見渡せます。

観光に来た人同士で話をしていました。フランス人の、見知らぬ人とでもさらりとおしゃべり始めちゃうところ、すごく好きです。

石器時代から文明が進むと、この岩は城郭として使われていたそうです。その名残として、古いやぐらや門が残っていました。

このLe Rocher de Bellevueを含め、セーニョンには3つの城が建てられていました。そのためセーニョンの紋章は、城が3つ並んだデザインです。

 

可愛らしい村の風景

 「LE LAVOIR」という看板がありますね。これは「共同洗濯所」という意味です。
現在はほとんど使われていませんが、フランスの農村にはこうした共同洗濯所を残しているところが多くあります。

この共同洗濯所は上座から湧水が流れ、2つ並んだ水槽がそれを受けています。洗濯物などを引っかけたのでしょうか、木の棒が渡されています。一家に一台洗濯機がなかった時代、近所の人たちがここで集まって、世間話をしながら洗濯していた様子を想像してしまいます。

村の南にある「Notre-Dame-de-Pitié」。11〜12世紀に建てられたらしいロマネスク建築の教会です。教会の入り口あたりから、ケルト・ギリシャ語が刻まれた石碑が発見されたり、教会内にカロリング王朝時代の洗礼盤があったり、私は歴史のことはよくわからないのですが、とにかく中世の名残を感じられる教会です。

素敵な窓辺。村の人たちの、丁寧な暮らしぶりが伝わってきます。
毎日がなんだか忙しくて、時間追われるようにして過ごしていると、プロヴァンスの山村の風景に、ひときわ豊かさを感じます。リタイアしたら移住したいと行く度に思うのでした。

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