《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第27回 〜 デニムの発祥地「ニーム」のまちなかはローマ遺跡だらけ 〜

2022年11月20日
タグなし

まちなかにローマ遺跡が点在

ニームは「フランスのローマ」といわれるほど、たくさんのローマ遺跡があります。
古代ローマ時代、第25回で紹介したポン・デュ・ガ-ルを通り、ユゼスから水を引いていたまちです。
また、ニームは「デニム」生地の発祥地でもあります。

今回は写真を多めに使ってニーム散策の様子を紹介します!

TGVも停まるニーム駅を降りると、まっすぐな並木道「Avenue Feuchères」がのびています。道の脇には用水路があり、市民が憩うベンチやテーブルが並んでいます。

並木道の突き当たりにはシャルル・ド・ゴール広場があり、「プラディアの泉」という巨大な噴水がそびえています。開放的で気持ちのいい空間。

広場を抜けると左手に、紀元1世紀に建設された古代闘技場が見えてきます。大きさは133×101mとアルルにある闘技場ほど大きくはないけれど、保存状態は世界一だとも言われています。いまでも闘牛をはじめ、コンサートなどのイベントが行われています。

約2000年前につくられた古代遺跡がまちにナチュラルに溶け込んでいることに、軽く衝撃を受けます・・・。

旧市街をそぞろ歩き

どのまちへ行っても、旧市街の散策は面白いもの。
日本でいう歩行者天国の商店街のように、車が通らない人間サイズの幅の道に、さまざまな商店が並んでいます。気ままに歩いていると、ときどき路上の演奏に出くわします。

人形劇のセットのようなチョコレート屋のショーウィンドウ。

17世紀、ニームは織物産業で栄え、18世紀には織物を海外に輸出し始めます。それらの織物は、「Serge de Nîmesセルジュ・ドゥ・ニーム」と呼ばれていました。セルジュというのは、丈夫な織物の種類のこと。セルジュ・ドゥ・ニームはニーム産のセルジュという意味です。このセルジュの部分がなくなりドゥ・ニーム→デニムとなったそうです。まち歩きをしていても、服屋が目につきます。

11世紀に創建され、修復を繰り返しているというサン・カストール大聖堂。こういう古い建物が、ふいに現れるのがニームなんですね。

市民の憩いの場になっていた神殿メゾン・カレ

旧市街を抜けるとニーム観光の目玉「Maison Carréeメゾン・カレ」に到着しました。フランス語でメゾンは家、カレは四角なので、メゾン・カレは「四角い家」という意味。紀元5世紀頃に建てられた神殿です。古代ローマ共和政末期の政治家であり将軍のカエサルの孫に捧げられたものだそう。奥には「Carrée d’Artカレ・ダール」という1993年に建設された総合文化センターがあり、現代美術館や図書館が入っています。

さすが神殿、佇まいがかっこいいです。コロナ禍だったため中には入れませんでしたが、通常はメゾン・カレとニームの歴史を紹介する30分の映画が上映されているそうです。

よく見ると、細部にまで精巧な装飾が施されています。ため息が出るくらい美しいです。

興味深いことに、メゾン・カレは市民のたまり場になっていました。歴史遺産に座り込んで、飲み食いしながら、語り合う人々。普通だったら立ち入り禁止にして入場料をとってもおかしくないですよね。ニームの人たちが羨ましいです。

聖なる泉があったファンテーヌ庭園

日が傾いてきた時分、最後に向かったのは、カヴァリエの丘の手前にあるフォンテーヌ庭園です。

この庭園は、古代ニームの先住民が信仰の対象にしていた泉があった場所に、18世紀に建設されました。水が豊富に流れています。

古代ローマ時代は、ここに神殿や浴場があったといいます。建設は18世紀ですが、古代の趣を感じさせます。

庭園は広大で、入り口では乗馬体験のコーナーがあり、芝生のスペースでは市民がボール遊びをしていました。休日の夕方、穏やかで平和な光景に、心が和みました。ニームは暮らしやすそうです。

おまけ

街歩きの最中、ユニークな噴水をいくつも見かけました。
ニームには古代遺跡だけでなく、現代アートも至るところにありますよ。

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