《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第八回 〜湿地帯「カマルグ」の幻想的な夕暮れ〜

2021年10月08日
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独特の地形をした湿地帯

カマルグは、ヨーロッパ最大規模の湿地帯です。
グラン・ローヌ川とプティ・ローヌ川、地中海に囲まれた3角のエリアで、カマルグ地域自然公園にあります。
ローヌ川が何千年にもわたって運んだ土砂が土壌となり、独特の景色が広がっています。


(カマルグの地図。「アルル カマルグのオフィス・ド・ツーリズム」からダウンロードできます)

地図で見ると、湖や池が点々としていて、いまにも地中海に沈みそう(沈みません)。

海の側は塩田になっていて、ほんのりピンク色。フランスで唯一の水田もあります。

フラミンゴをはじめ数百種類の野鳥、黒牛、白い馬など、カマルグならではの生き物が生息していて、国立自然保護地域や地方自然公園、UNESCOの生物圏保護区に指定されています。

今回は、最も湖や池の多いエリアをドライブします。

王子様のようなカマルグ馬

 

アルルを車で南下しカマルグに近づくと、カマルグ馬といわれる白馬をよく見かけるようになります。
「白馬の王子様」なんて言い方がありますが、エレガントで馬自体が王子様のような雰囲気。草原をかける姿はハッと目を引きます。


沼地が多いカマルグでは、車ではなくカマルグ馬で移動する習慣があり、ガルディアンという現役のカウボーイが暮らしているそう。
ドライブ中、遠くの方に馬に乗っている人たちが見えました。
観光客向けに乗馬体験ができる牧場もいくつもありました。

ところで、道の途中で不思議な動物に遭遇しました。ネズミに似ているけどネズミよりも大きくて、立派なしっぽがある。後から調べたところ・・・なんと、ビーバーでした。
カマルグは豊かな生態系が保たれていて、いろんな動物がいるんですね。

鏡のように空を映す水面

池や湖のすぐ脇を走る道では、スピードを緩めずにはいられません。
何度も車の窓を開けてカメラをかまえました。

水面が空を反射して、まるで水の鏡です。
夕暮れが近づき、桃色に染まり始めると水面も染まって幻想的。

水辺にはサギやカモ、白鳥などの水鳥がいます。
残念ながら、この日はフラミンゴの群れは見つけられできませんでした。フラミンゴは冬季はアフリカ大陸へ渡りますが、カマルグに残るフラミンゴもかなりいるそうです。

やがて太陽が水平線の向こうへ傾き、空も水面も赤く染まりました。
民家はほとんどないため、辺りに人工の明かりはないし、車も時々すれ違う程度。
鳥の鳴き声や風の音しかしない、静かな夕暮れです。

刻々と変化していく空と湖の色。どの瞬間も美しくて見逃せません。

日が沈んだ後もしばらく明るく、辺りは薄紫に染まります。
水墨画のように繊細な濃淡。美しさに心が洗われます。

一日の終わり。たくさんの鳥たちが、それぞれ群れをなして、どこかへ帰っていきました。


(輝き始めた月の下を鳥たちが横切っている様子。走る車から撮影)

カマルグのお土産

カマルグでは、ローマ時代から塩の採取が行われてきました。
なかでも「フルール・ド・セル(Fleur de Sel 日本語で塩の花)」、もしくは「ペルル・ド・セル(Perle de sel 塩の真珠)」と名づられたものは、高級塩として有名です。
塩田で海水を天日干しをした際、最初に水面に現れた結晶を使用しているのだそう。

またカマルグでは地形を活かして稲作をしており、日本酒もつくられています。
一度飲んだことがありますが、甘くてフルーティーなワインのような味でした。

この場所は動物たちの美しい楽園です。
恥ずかしながら、私はこの世界にカマルグのような広大な湿地帯が存在することさえ、知りませんでした。
世界は広くて、知らないことがまだまだたくさんあるんだなと、改めて感じた旅でした。

「《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第八回 〜湿地帯「カマルグ」の幻想的な夕暮れ〜」に2件のコメントがあります

  1. 小川 香津代

    カマルグの静かな夕暮れ、移ろいゆく幻想的な美しさに感動しました。
    大自然の中で、穏やかに時が流れるのを感じられる旅は素敵ですね。
    今回 カマルグで稲作や日本酒作りがされていると知り、味わってみたくなりました。興味津々です!

  2. 幻想的な素敵な風景ですね。鳥の群れの写真はいいですね。旅行中の異国であれば、なおさらの感傷が沸くと思います。身を置いてみたいと強く感じました。

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