【プロヴァンス・ダイアリー】《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第18回 〜 ラベンダー畑へ:②セナンク修道院エリア編 〜

2022年04月25日
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セナンク修道院」は、キリスト教カトリックの「シトー会」の修道院です。

シトー会って何?

シトー会は、12世紀にブルゴーニュで設立された修道会で、戒律を厳密に守り、質素な生活を送ることを信条としています。

清貧を貫くシトー会の修道士たちは、その服装も質素で、染色しない白い修道服を着ていることから「白衣の修道士」とも呼ばれています。

彼らは学問と労働を重んじていて、自ら農業を行います。
かつては開墾や農法の普及を行い、ブルゴーニュのワイン作りをはじめ、フランス国内に大きな影響を与えました。

整地作業をするシトー派の修道士

しかし、1789年に勃発したフランス革命で、シトー会の修道士たちは国内から姿を消してしまいます。
革命が終わると亡命した者たちが戻ってきて、現在のシトー会「厳律シトー会(トラピスト会)」として復興しました。日本にも現在、北海道にトラピスト修道院があります。

山に囲まれた簡素な修道院

プロヴァンスには、「プロヴァンスの三姉妹」と呼ばれる3つのシトー会の修道院が現存していて、セナンク修道院はそのひとつです。ほかに「ル・トロネ修道院」「シルヴァカーヌ修道院」という修道院があります。
三姉妹のうち、いまも現役で修道士が暮らしているのはここセナンクのみ。

シトー会の修道院は、人里離れた僻地に建っています。セナンク修道院もしかり。
そしてセナンク修道院では、ラベンダーの栽培が行われています。
ということで、前置きがかなり長くなりましたが、セナンク修道院はラベンダーの名所なのです。

ラベンダーごしに眺める12世紀の建築

セナンク修道院のラベンダー畑は、前回紹介したヴァランソルにある畑と比べると小さいです。
ここの見どころは、ラベンダーと12世紀の建築物のコンビネーションです。

セナンク修道院は12世紀に建てられ、フランス革命での被害を免れ、当時の姿をとどめています。
シトー会らしく、普通の教会にあるような彫刻や壁画、ステンドグラスなど華美な装飾はありません。とてもシンプルです。

セナンク修道院の建築様式は、10世紀末から12世紀にかけて最新だったロマネスク様式です。
分厚い壁や開口部の半円アーチ、小さな窓などが特徴です。

裏側は補修工事中でした。900年前の建築を維持するのも大変そう。

みなラベンダーごしに修道院を眺めていました。向かって右手の建物はラベンダーグッズのショップが入っています。それから寝室や回廊、教会なども見学できます。厳格な修道院の生活、私には絶対無理! だけど、憧れます。

プロヴァンスの風景に溶け込むラベンダー

セナンク修道院の帰り道、山を降りてきたところで、雰囲気のいいのラベンダー畑を発見!

風が吹くと一斉になびいてまたキレイ。

遠くに小さな村が見えます。セナンク修道院があるリュベロン地方は、ああいう村がいくつも点在しています。

少年がラベンダーのエッセンシャルオイルを直売していました。

プロヴァンスには、名所以外にも至るところにラベンダー畑があって、シーズン中は鮮やかな紫色をよく目にします。マルシェでも花束が並びます。ラベンダーはプロヴァンスの風景の一部なんですね。

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