《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第12回 〜 マルセイユ港編:魚市場とブイヤベース 〜

2022年01月11日
タグなし

活気に溢れる魚市場

19世紀まで貿易の中心地として栄えていたというマルセイユの旧港。
そこにある「ベルジュ河岸(quai des Berges)」では、毎日午前中に魚市場がたちます。
カモメが空中を旋回する下で威勢のいい掛け声が飛び交い、活気に溢れています。


魚市場の後ろは海! 漁師たちが船と陸をまたいで行き来しています。

見慣れない深海魚からマグロまで、その場で魚を捌いています。ワイルド!

親子でしょうか、くわえタバコがサマになってますね。

かなり高齢の方も、買い物にきていました。

余談ですが、マルセイユに限らずこっちでは高齢者がマルシェで買い物をしている姿をよく見かけます。
車で大型スーパーへ行くよりも、歩いてマルシェへ行き、おしゃべりしながら買い物をする。昔ながらのライフスタイルなのでしょう。

マルセイユ名物「ブイヤベース」

水揚げされたばかりの新鮮な魚介が出回っているマルセイユ。
ここには「ブイヤベース」という、魚のスープの郷土料理があります。
もともと売れ残りの魚をごった煮にして食べていたのが始まりなのだそう。


ブイヤベースを食べに、『地球の歩き方』に載っていた「シェ・フォンフォン(Che Fonfon)」という店にやって来ました。
店の前にはちょっとしたヨットの停泊地があります。
停まっているヨットは個人の所有物で、知人から聞いたところによると、ここはマルセイユの中でも停泊料がお高いエリアなのだそう。シェ・フォンフォンもちょっとお高いレストラン。


さっそくブイヤベースと注文すると「これらの魚を使います」とテーブルまで見せに来てくれます。どれが何の魚か、私にはほとんどわかりませんでした・・・。

しばらくすると、魚だしのスープと、調理した魚が別々に出てきました。
カリカリに焼いたバゲットと、「アイオリ(Aïoli)」というニンニクのソース、「ルイユ(Rouille)」という唐辛子入りアイオリもついてきます。

まずは、ソースをパンにつけてスープに入れ、パンにスープを染み込ませていただきます。
それからメインの魚をスープに入れて、ほぐしながら食べます。
徐々にスープが減ってくると、店員がやってきて熱々を注ぎ入れてくれます。


ブイヤベースは店によって個性があります。これはエクス・アン・プロヴァンスにある「La Brocherie」というお店で注文したときのもの。貝や海老も入っていて、シェ・フォンフォンが洗練された味なら、La Brocherieは家庭的な味がしました。

とはいえ、正直どこのブイヤベースも期待していたほどおいしくはありませんでした(笑)。
やっぱり、魚料理で日本の右に出る国はない!

大都市なのに海がキレイ

シェ・フォンフォンを出てからすぐ近くの海まで歩くと、人々が海水浴を楽しんでいました。


すぐそこに道路が通っている都市部なのに、海水は透き通っています。
これ、東京出身の私からすると不思議な光景。同じ都市部でも、東京の海は汚くてこんな風に泳いだりできないから。

マルセイユは、都市とキレイな海が隣り合わせ。
繁華街やショッピングモールを歩くことも、海水浴をすることも、おいしい魚介を食べることもできる、いいとこ取りの街なのでした。

 

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