2600年の歴史がある港街
マルセイユはフランスでパリに次いで2番目に大きい都市。
港があり、活気に溢れ、日本でいうと大阪に近いかもしれません。
さらにマルセイユはフランス最古の都市でもあります。紀元前600年にギリシアのフォカイア人が港を開いて建設した「マッサリア」が始まりといわれています。古くから交易が盛んで、移民の多い国際都市です。
ちなみに、フランスの国歌は『マルセイユの歌(ラ・マルセイエーズ La Marseillaise)』という題名なんですよ。
丘の上のやさしい母
丘の上にそびえる「ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院」は、マルセイユのシンボルです。
ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院の鐘楼の上では、黄金の聖母マリアが街を見守っています。
港の船乗りたちは、彼女に見守られながら航海に出ていました。
この聖母マリアは地元の人々に「やさしい母(Bonne mère ボンヌ・メール)」という愛称で親しまれているそう。
寺院の上からは、360度マルセイユを一望できます。
高いビルはほとんどありません。地中海と赤茶色の屋根が並ぶプロヴァンスらしい眺めです。
風情ある旧市街
マルセイユの旧市街であるパニエ地区にやってきました。
かつて漁師たちの居住区だったところです。
石畳の狭い道には生活感が感じられます。
窓辺には洗濯物がかけられ、玄関には植物が置かれ、壁にはグラフィックが描かれています。
聖母マリアの被昇天祭
折しもこの日は8月15日、聖母マリアが天に昇った日でした。
パニエ地区の入り口に位置する「サント・マリー・マジョール大聖堂(La cathédrale Sainte-Marie-Majeure)」に入ったところ、偶然「聖母マリアの被昇天祭(Fête de l’Assompation de la Vierge Marie)」に遭遇しました。
聖母マリア像が大聖堂を出発するところ。
集まった人々は聖歌を歌い、拍手をしながら、「ビバ マリア(Viva Maria)!」「ビバ ラ マドンナ(Viva la Madonna)!」「グローリア(Gloria)!」などと叫んでいます。
扉の向こう光の中へ吸い込まれていくマリア像が神々しい。
大聖堂を出たマリア像は旧市街を練り歩き、人々がぞろぞろ続きます。
アパルトモンの住人も窓から見下ろしています。
一行は港が見える高台の交差点で止まり、港の繁栄を見せるように、マリア像を掲げました。
そして聖歌を歌いながら、「ビバ ラ マドンナ(Viva la Madonna)!」などと声をあげ、手を叩いています。
熱気に圧倒されてしまいました。
マルセイユの人々の、聖母マリアに対する信仰心の厚さをヒシヒシと感じました。
歩いているとわかりますが、マルセイユには海を隔てた北アフリカからの移民が多く住んでいて、プロヴァンスの他の地域とはかなり毛色が異なります。
治安が悪い面もありますが、多人種・多文化が共存するとっても面白い街です。
マルセイユの魅力は1回のブログでは書ききれないので、数回に渡って紹介していきたいと思います。
「《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第11回 〜 マルセイユ旧市街編:聖母マリア信仰 〜」に2件のコメントがあります
大聖堂からマリアさまを担いで街を歩くのですね😳日本でいうお神輿でしょうか?🤔 コロナ禍になり私の地域では2年御神輿中止です 田舎だからでしょうか 全面ガラスの小屋が建てられ神輿を飾るようになりました😆
CHERQUEさん。確かに、日本のお神輿とそっくりでした!フランスでもコロナのためにたくさんの地域の行事が中止になり、寂しいです。とはいえ、新しい方法が生まれるのは面白いですね。はたして今年はどうなるでしょうか。