街中に音楽あり
エクス・アン・プロヴァンスに住んでいると、生演奏を聴く機会がたくさんあります。
例えばある夏の夕方、街の目抜き通りであるミラボー通りを歩いていたら、中世の王族ルネ・ダンジュー像の前に設営されていたステージで、ピアノの演奏が始まりました。
辺りに美しい音色が響き、自然と人が集まってきます。
ちょうどディナータイムになったので、そのまま目の前にあったレストランのテラス席に座りました。
サマータイムの明るい日差しの中、ピアノの音色を聴きながらの食事。なんとも優雅なひとときでした。
ほかにも、毎週マーケットが開催される通りや、バカンスシーズンで賑わっている広場などで、どこからともなく流しの奏者が現れ、人々の時間にBGMをつけてくれます。
それからエクスでは、毎年7月にヨーロッパ有数の音楽祭「エクス・アン・プロヴァンス音楽祭(Festival d’Aix-en-Provence)」が開催され、世界中から観客が訪れます。期間中は優れたオペラ作品が街中の複数の会場で上演されます。
無料でライブ聴き放題! 道端の音楽祭
また、エクスの夏は「道端の音楽祭(musique dans la Rue)」も開催されます。
2020年は8月22日からの8日間、街内の広場や庭など10箇所で、毎日夕方からライブが開催されました。
一日合計約20ものライブが行われ、うれしいことに全て無料!
(↑ 会場で配られていたパンフレット)
市のホームページやパンフレットからスケジュールを確認して、「今日はあれを見よう!」と決めて出かけてもいいし、ブラブラ散歩しているだけでも何かしらライブに遭遇します。
期間中、街の様子はこんな感じでした。
市庁舎前では、アコーディオンを中心としたアンサンブルが、軽快なダンス酒場の音楽を奏でています。集まった人たちもノリノリ。
「アルベルタ広場(place d’Albertas)」では、竹を使ったオジナル楽器が、和の音色を響かせていました。
ちなみにこの広場は16世紀につくられたもので、情緒たっぷり。そんな場所で聴く音楽は、ひときわムードがあり、うっとり聴き入ってしまいました。
人数制限がある会場では、開場30分前から列ができていました。
中に入ると・・・
「Chapelle des Oblats」という教会の中庭で、ピアノとチェロの演奏です。
日本でクラシック音楽の生演奏を聴くには、それなりの金額のチケットを買う必要がありますが、エクスでは無料。しかもこんな至近距離で鑑賞できる。住んでてよかったぁ。
裁判所前でのファンファーレを動画で撮り続けてみました(風強い)。
最初はまばらだった観客が、徐々に増えていくのがよくわかります。
階段に腰かける若者、自転車に乗った家族、犬を連れたマダム、遠くから眺める老人・・・。
普段街を歩いているときと同じようにいろんな人がいて、この音楽祭は市民みんなで楽しむものなんだなと、つくづく感じました。
PCやスマートフォンでしか音楽を聴かなくなった昨今、プロヴァンスではこうした街中の演奏が暮らしを彩ってくれます。
質のよい生音は、感性を磨いてくれそうですね。
「《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第4回 〜夏を彩る、街中の演奏会〜」に1件のコメントがあります
エクスに住んでいないと、このような素敵な出会いはなかなかないでしょうね。
旅で遭遇したら、超ラッキーだと思います。
画像からでも音楽が聞こえてきそうです。