《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第1回 〜赤い村「ルシヨン」のオークル〜

2021年04月05日

プロヴァンスの西側、広大なぶどう畑を見下ろす丘の上に「ルシヨン」はあります。
村全体が赤いのが、ルシヨンの大きな特徴です。南仏の濃い青空によく映える!

ルシヨンは面積28㎢程度の小さな村ですが、その色彩の美しさに多くの観光客が訪れます。
人口2000人未満で保護遺産があるなどの基準で選ばれる「フランスの最も美しい村」にも認定されています。


ルシヨンにある建物はすべて赤い色をしています。
しかしよーく見ると、一軒一軒色味が微妙に違います。
ピンク色に近かかったり、黄色っぽかったり・・・2つと同じ色はありません。

実はこれらの建物は、「オークル」と呼ばれるルシヨンの土からできています。
赤い色はオークルの色で、一軒ずつ色味が違うのは、自然の素材だからなんです。


ルシヨンのオークルは黄色顔料の原料として、かつてはヨーッパ中に輸出されていたそう。
全盛期は19〜20世紀初頭、ルシヨンは鉱業で栄えていました。


現在は化学染料が普及して、ルシヨンのオークルはほとんど採取されなくなりました。

かつての採取場はいま、「オークルの道」という遊歩道になっています(入場料3ユーロ)。
30〜60分で回れる散歩道ですが、途中道が険しい場所もあるので、歩きやすい靴で挑みましょう!


オークルの道を歩くと、そびえる巨大な赤い岩に圧倒されます。
約1億1000万年前、プロヴァンスが海に覆われていた頃からの堆積物が、長い長い時を経て、こうした珍しい地質や色になったといいます。


悠久の時の流れを思うと、ルシヨンの赤い色がいっそう美しく見えてきます。
とくに夕暮れ時は、夕陽に照らされたオークルが鮮やかに輝いて、うっとりする眺め。

プロヴァンスを訪れた際には、ぜひこの鮮やかな色を見に来てもらいたいです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

新着投稿記事

プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第28回 〜 プロヴァンスワインを買いに、シャトーへ行こう! 〜

フランスワインといえば、ほとんどの人はボルドーやブルゴーニュを思い浮かべますが、プロヴァンスも有名なワインの生産地です。車を走らせていると、至るところにぶどう畑やシャトーを見かけます。 実は、プロヴァンスはフランス国内で

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第27回 〜 デニムの発祥地「ニーム」のまちなかはローマ遺跡だらけ 〜

まちなかにローマ遺跡が点在 ニームは「フランスのローマ」といわれるほど、たくさんのローマ遺跡があります。 古代ローマ時代、第25回で紹介したポン・デュ・ガ-ルを通り、ユゼスから水を引いていたまちです。 また、ニームは「デ

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第26回 〜旧石器時代から続く山村「セーニョン」で、特別な岩に登る〜

プロヴァンスの山間には、可愛らしい村がいくつもあります。人口1000人程度のセーニョンもそのひとつ。 セーニョンに人が住み始めたのは遥か昔、中期旧石器時代(20万年〜3万5千年前)だとか。ネアンデルタール人とかクロマニヨ

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

【mamanのプロヴァンス街歩き、Cours Julien2022】速報!2022年度、世界で「最もクールな」51地区のランキング発表

プロヴァンス好きな皆様に嬉しいニュースが飛び込んで来ました。 英国の雑誌タイムアウトが毎年発表している世界で「最もクールな」51地区のランキングが2022年10月11日(火)に発表されました。 20,000 人の都市居住

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第25回 〜 2000年前にローマ人が建設した水道橋「ポン・デュ・ガール」〜

ニーム近郊オクシタニー地方にあるポン・デュ・ガール(Pont du Gard)は、ガール川にかかる巨大な水道橋です。 この水道橋は、古代ローマ時代の紀元前19年から5年かけて建設されたそうです ※年代については諸説あり。

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第24回 〜ノストラダムスが予言書を書いたまち「サロン・ド・プロヴァンス」〜

サロン・ド・プロヴァンスは、人口4万人ほどのまちで、ノストラダムスがいたことで知られています。 また、空軍基地や空軍士官学校があり、たまたま車で通りがかったときに、アクロバット飛行をしている戦闘機を見たこともありました。

記事を読む
プロヴァンス・キッチン

《大畑シェフ料理教室》第三回〜スフレパンケーキとエルダーフラワー風味のさくらんぼソース〜動画&レシピ

・エルダーフラワーのシロップ ①鍋に砂糖:水を1:2の割合で入れ、沸騰させる。※割合はお好みで変えてもOK ②沸騰したら火を止め、エルダーフラワー(とお好みでスライスレモン)の上に①を入れる。 ③そのまま一晩置いておく。

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第23回 〜 「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き 〜

ここはセレブの街サン・トロペ。 エルメス、シャネル、グッチ、ヴィトン・・・歩いているとハイブランドのブティックが次々と目に飛び込んできます。 ふいに目の前にオープンカーが止まり、モデルのようにきれいな女性が男性にエスコー

記事を読む

新着投稿記事

プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第28回 〜 プロヴァンスワインを買いに、シャトーへ行こう! 〜

フランスワインといえば、ほとんどの人はボルドーやブルゴーニュを思い浮かべますが、プロヴァンスも有名なワインの生産地です。車を走らせていると、至るところにぶどう畑やシャトーを見かけます。 実は、プロヴァンスはフランス国内で

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

【プロヴァンス・ダイアリー】【プロヴァンスの風物詩】no.8 クリスマスの日にいただく13種類のデザート

南仏プロヴァンスでは、クリスマスに13種類のデザート(Les treize desserts レ・トレーズ・デセール)を食べる習慣があります。なぜ13種類?いつ何を食べるんでしょうか? なぜ「13」? キリストの「最後の

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第27回 〜 デニムの発祥地「ニーム」のまちなかはローマ遺跡だらけ 〜

まちなかにローマ遺跡が点在 ニームは「フランスのローマ」といわれるほど、たくさんのローマ遺跡があります。 古代ローマ時代、第25回で紹介したポン・デュ・ガ-ルを通り、ユゼスから水を引いていたまちです。 また、ニームは「デ

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第26回 〜旧石器時代から続く山村「セーニョン」で、特別な岩に登る〜

プロヴァンスの山間には、可愛らしい村がいくつもあります。人口1000人程度のセーニョンもそのひとつ。 セーニョンに人が住み始めたのは遥か昔、中期旧石器時代(20万年〜3万5千年前)だとか。ネアンデルタール人とかクロマニヨ

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

【mamanのプロヴァンス街歩き、Cours Julien2022】速報!2022年度、世界で「最もクールな」51地区のランキング発表

プロヴァンス好きな皆様に嬉しいニュースが飛び込んで来ました。 英国の雑誌タイムアウトが毎年発表している世界で「最もクールな」51地区のランキングが2022年10月11日(火)に発表されました。 20,000 人の都市居住

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第25回 〜 2000年前にローマ人が建設した水道橋「ポン・デュ・ガール」〜

ニーム近郊オクシタニー地方にあるポン・デュ・ガール(Pont du Gard)は、ガール川にかかる巨大な水道橋です。 この水道橋は、古代ローマ時代の紀元前19年から5年かけて建設されたそうです ※年代については諸説あり。

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第24回 〜ノストラダムスが予言書を書いたまち「サロン・ド・プロヴァンス」〜

サロン・ド・プロヴァンスは、人口4万人ほどのまちで、ノストラダムスがいたことで知られています。 また、空軍基地や空軍士官学校があり、たまたま車で通りがかったときに、アクロバット飛行をしている戦闘機を見たこともありました。

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第23回 〜 「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き 〜

ここはセレブの街サン・トロペ。 エルメス、シャネル、グッチ、ヴィトン・・・歩いているとハイブランドのブティックが次々と目に飛び込んできます。 ふいに目の前にオープンカーが止まり、モデルのようにきれいな女性が男性にエスコー

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第22回 〜「サン・トロペ」前編:ブリジット・バルドーが愛した港町〜

小悪魔ブリジット・バルドー 60年代に一世を風靡したブリジット・バルドーをご存じですか? パリ出身の女優でありモデル、歌手でもある彼女は、そのセクシーかつ野生的な魅力で人々を虜にしました。 「ヨーロッパのマリリンモンロー

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第21回 〜ヨーロッパで最も美しいビーチがある「ポルクロル島」〜

車がいない穴場の島 ポルクロル島(Il de Porquerolles)は、第20回 〜 歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日 〜で紹介したイエールから、船で約20分のところにある島です。 イエールにはポ

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第20回 〜 歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日 〜

イエール(Hyères)は、地中海に飛び出ている半島があるまちで、「黄金の島々」と呼ばれる3つの島を有しています。 まちに7000本のヤシの木が植わっていることから、イエール=レ=パルミエ(Hyères-les-Palm

記事を読む
プロヴァンス・ダイアリー

【プロヴァンス・ダイアリー】《旅好きライターのプロヴァンス暮らし》第19回 〜 ラベンダー畑へ:③ソーエリア編 〜

真正ラベンダーとラバンジン ひとくちにラベンダーといっても、いくつも種類があるのをご存知ですか? スパイクラベンダーとかイングリッシュラベンダーとか、調べるといろいろあるのですが、プロヴァンスのラベンダーを見に行くにあた

記事を読む
ログイン