探検したくなる村
ボルム・レ・ミモザは、海から山へと斜面に張りつくようにある村です。
村がいまの姿になったのは12世紀、外敵の襲来に備えて、あえて不便な場所につくられたそう。
こういう防衛のために高い場所につくられた村は、フランス全土にあります。ボルム・レ・ミモザもそうですが、高い場所にある村は山に沿っていため、坂や石段が多く、時々建物の下をトンネルのようにくぐる入り組んだつくりをしています。
これがなんとも冒険心をくすぐるんです。
いつも花々が出迎えてくれる
ボルム・レ・ミモザは南側の斜面にあるので日当たりがよく、どの季節に行っても村中に花が咲いています。
村名に“ミモザ”とあるように、冬はミモザ。2月には「Corso Fleuriミモザ祭り」が開かれ、ミモザでつくった山車のパレードが見られます(コロナ禍では中止)。
また、ボルム・レ・ミモザはこのブログの 〜ミモザ!ミモザ! ミモザ! 一足早い春の訪れ〜 でも紹介した「ミモザ街道」の出発地でもあります。
ミモザの季節が終わり暖かくなると、今度はブーゲンビリアの番です。ピンク、紫、オレンジのブーゲンビリアが村中を彩ります。
そのほか木蓮や紫陽花、ゼラニウム、名前のわからないものまで、たくさんの花が至るところで咲き、訪れる人を出迎えます。
街路樹だけでなく、各家庭が軒先で育てている花も多いです。村全体で植物を大事にしている様子。
フランスでは、ボルム・レ・ミモザのように花が豊かな村や町は、「Villes et Village Fleuris(花いっぱいの町と村)」というラベルを持っています。
Villes et Village Fleurisとは、国の評議会が毎年コンクールを開催し、花のある景観や環境への配慮、生活空間の質などの基準から、各町や村に授与するラベルのこと。
簡単に言うと「Les plus beaux villages de France(フランスの最も美しい村)」の花バージョンのようなもの。
Villes et Village Fleurisのラベルにはランクが1から4まであり、4が最高です。ボルム・レ・ミモザのランクは4。花好きなら絶対行くべき!
花を追いかけて半ば迷いながら歩いていると、いつのまにやら夕方に。
予約しておいたレストラン「Lou Portaou」へ向かいます。
ボルム・レ・ミモザらしい、建物下のトンネルにLou Portaouはあります。
石造りのアーチ状のトンネルに、アンティークのテーブルセットというプロヴァンス情緒あふれる空間です。
伝統的なフランス料理と地元のワインをいただきました。
山を降りると広がるビーチ
ボルム・レ・ミモザにはビーチもあります。
その長さ22キロに及び、6〜9月頃まで海水浴が楽しめます。
このきれいなターコイズブルーの海は、山の方からも見下ろせます。
山も海もあって、いつも花が咲いているなんて、なんて素敵なんでしょう。
季節ごとに足を運びたくなる村です。